第44章 絶品の大鍋料理

太田幸也は「料理の神様」野村大世の弟子――そう呼ばれてはいるが、その腕前は師に一歩も引けを取らない。むしろ幾つかのジャンルでは、すでに野村大世を凌いでいるとさえ言われていた。野村大世が最も誇りにしている弟子。それが太田幸也だ。

料理界において、太田幸也はまさしく伝説の人でもある。

「……俺がやってみる」

一人のデブが前へ出て、胸をドンと叩き、得意げに言った。

「俺ぁこの道三十年以上だ。十八から包丁握って、いろんなホテルで料理長もやってきた。腕は一流だぞ」

「腕前の披露には制限時間がある。1人5分だ」

太田幸也が淡々と言い放つ。

「5分?」

デブはその瞬間、眉間に深い皺を寄せた...

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